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もっと、愛しい貴方を
「うぉっ…地震だ」
「……結構揺れますね」
「この部室にはテレビがないのが難点だな。ネットで見てみようぜ」
…感づかれてない、か…?実は俺は昔から地震があまり好きじゃなかったりする。小さい頃阪神大震災の映像を見てから地震が苦手になった。こう揺れるとその頃見た映像と共に子供の頃の感情まで一緒に蘇ってきやがる。全く以て厄介な神経だ。
「どうしました?」
「あ?何が」
「今僕の方をちらちら見ていたでしょう?」
……変なとこばっかり見やがって。だが真実なだけに馬鹿なことを言うなと言うこともできない。こういう時はスルーするに限る。そう思ってPCの電源をつけた。
「キョンくん」
「何だよ、しつこいな」
「地震、怖いんですか?」
PCの前の椅子にドサリと体を落ち着かせた俺はそこで動きを止めた。いや、止めざるを得なかったと言う方が正しいか。
「………何言ってんだ。俺がんな女々しいこと言うと思ってんのか?」
「誰にでも苦手なことはあるじゃないですか」
こいつの目が痛い。ただでさえお前に見つめられんのは苦手なのに、そんなに見るなよ。そりゃあれだけ切り返しが遅くなれば怪しまれるかもしれねえけど。起動し終わったパソコンのマウスをいつもより強く握って乱暴にダブルクリックした。
「お、やっぱ東京でも震度3はあったみたいだぞ」
「キョンくんは可愛い人だ」
「……お前な。俺の話聞いてたか?」
「聞いてましたよ。東京は震度3だったんですよね」
本当にこいつはムカつく奴だ。今俺にハルヒなみの度胸があったらこいつのにやけ面を殴り飛ばしてるところだろう。俺がハルヒじゃないのをせいぜい喜ぶがいいさ。
「余震、来そうですか?」
「さあな。来ないに越したことねえだろ」
随分と楽しそうだな、おい。不謹慎じゃねえか?一発殴ってやろうか。俺みたいな人種がいることを忘れんなよ。
「震源地の方々にはとても失礼ですが僕は今地震が来ればいいと思います」
「ぁあ?」
「可愛らしい貴方が見られますからね」
震源地にお住まいの皆様のためにも、俺がこいつを殴らなければならんらしい。
END
◇◆後書き◆◇
いつだかに予告した古キョン地震ネタ。震源地の方にものっそ失礼な古泉。だから地震あった直後のUPは控えたかったんですよ。
元は拍手に上げようと思ってたのを携帯でちまちま打ってたので遅くなってしまいました。PCのデータ消したのが問題ですよね。そのまま送ればよかった!
とりあえず今のところこれくらいしかUPできなさそうです。すみません……。
楓魔 禮牙
07.9.4.
「……結構揺れますね」
「この部室にはテレビがないのが難点だな。ネットで見てみようぜ」
…感づかれてない、か…?実は俺は昔から地震があまり好きじゃなかったりする。小さい頃阪神大震災の映像を見てから地震が苦手になった。こう揺れるとその頃見た映像と共に子供の頃の感情まで一緒に蘇ってきやがる。全く以て厄介な神経だ。
「どうしました?」
「あ?何が」
「今僕の方をちらちら見ていたでしょう?」
……変なとこばっかり見やがって。だが真実なだけに馬鹿なことを言うなと言うこともできない。こういう時はスルーするに限る。そう思ってPCの電源をつけた。
「キョンくん」
「何だよ、しつこいな」
「地震、怖いんですか?」
PCの前の椅子にドサリと体を落ち着かせた俺はそこで動きを止めた。いや、止めざるを得なかったと言う方が正しいか。
「………何言ってんだ。俺がんな女々しいこと言うと思ってんのか?」
「誰にでも苦手なことはあるじゃないですか」
こいつの目が痛い。ただでさえお前に見つめられんのは苦手なのに、そんなに見るなよ。そりゃあれだけ切り返しが遅くなれば怪しまれるかもしれねえけど。起動し終わったパソコンのマウスをいつもより強く握って乱暴にダブルクリックした。
「お、やっぱ東京でも震度3はあったみたいだぞ」
「キョンくんは可愛い人だ」
「……お前な。俺の話聞いてたか?」
「聞いてましたよ。東京は震度3だったんですよね」
本当にこいつはムカつく奴だ。今俺にハルヒなみの度胸があったらこいつのにやけ面を殴り飛ばしてるところだろう。俺がハルヒじゃないのをせいぜい喜ぶがいいさ。
「余震、来そうですか?」
「さあな。来ないに越したことねえだろ」
随分と楽しそうだな、おい。不謹慎じゃねえか?一発殴ってやろうか。俺みたいな人種がいることを忘れんなよ。
「震源地の方々にはとても失礼ですが僕は今地震が来ればいいと思います」
「ぁあ?」
「可愛らしい貴方が見られますからね」
震源地にお住まいの皆様のためにも、俺がこいつを殴らなければならんらしい。
END
◇◆後書き◆◇
いつだかに予告した古キョン地震ネタ。震源地の方にものっそ失礼な古泉。だから地震あった直後のUPは控えたかったんですよ。
元は拍手に上げようと思ってたのを携帯でちまちま打ってたので遅くなってしまいました。PCのデータ消したのが問題ですよね。そのまま送ればよかった!
とりあえず今のところこれくらいしかUPできなさそうです。すみません……。
楓魔 禮牙
07.9.4.
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・・・---・・・
「ぅ…も、やばっ…でるっ…!」
「ばか、もうちょっと待ってろ」
「無理っ…まじむりっ…」
「俺の身にもなれよな!いいから我慢しろ!」
「ばかぁ、俺の台詞だよっ…!」
「馬鹿とは何だ、馬鹿とは」
「ね、次…まだぁ…?」
「お前……こっち向くな。ほらもうちょっとだって」
「もぅむりっ……、ぅっ…」
「うげええぇぇっ!!」
「あーあ…やっちゃった。だから飲み過ぎんなって言ったのに」
「ぅえっ…ぉえっ…」
「…まあ、何だ。ここが田舎でよかったな。都会だったら最終電車にも人いるぞ」
「っ、っ……!!(頷)」
END
□■あとがき■□
あれ,皆さん一体何だと思ったんですか?(笑)
苦情は甘んじてうけましょ。特にお食事中に読んじゃった方。……食事中に携帯若しくはPCなんていじってんじゃないわよ!!(どこのデレツン)
因みに制作時間は15分。禮牙が吐きかかった電車の中にて!
楓魔 禮牙
07.8.20.
「ばか、もうちょっと待ってろ」
「無理っ…まじむりっ…」
「俺の身にもなれよな!いいから我慢しろ!」
「ばかぁ、俺の台詞だよっ…!」
「馬鹿とは何だ、馬鹿とは」
「ね、次…まだぁ…?」
「お前……こっち向くな。ほらもうちょっとだって」
「もぅむりっ……、ぅっ…」
「うげええぇぇっ!!」
「あーあ…やっちゃった。だから飲み過ぎんなって言ったのに」
「ぅえっ…ぉえっ…」
「…まあ、何だ。ここが田舎でよかったな。都会だったら最終電車にも人いるぞ」
「っ、っ……!!(頷)」
END
□■あとがき■□
あれ,皆さん一体何だと思ったんですか?(笑)
苦情は甘んじてうけましょ。特にお食事中に読んじゃった方。……食事中に携帯若しくはPCなんていじってんじゃないわよ!!(どこのデレツン)
因みに制作時間は15分。禮牙が吐きかかった電車の中にて!
楓魔 禮牙
07.8.20.
何のための、俺
「おい、田島?」
「…………」
部活が終わって、みんな帰った後、俺はいつもの部誌を書いていた。それはいつものことで、田島が俺を待ってんのもいつものこと。他のみんなとは一週間に二回くらいコンビニに行くけど流石に毎日行く経済力はない。だから大体はそのまま家に帰る。で、家が近いからか俺の帰りを待っててくれてる。今日はその田島が少しおかしい。膝を抱えて小さくなっている。
「どうした?終わったぞ」
「………うん」
「……帰ろうか」
鞄を持って更衣室から出ようとすると袖を掴まれる。普段の田島からは想像もつかない。おいおい、どうしたんだよお前。
「田島?」
「俺さ、いなくても平気か?」
「は?」
何言い出すんだよ。俯きやがって、顔が見えねーっつの。どんな顔してんだよ。
「花井に、俺って必要ねーか?」
「どうしてそう思ったんだよ」
「……頼ってくんねーんだもん。頼りねーのかと思うじゃん」
「頼る?」
……っかしいな。頼ってくれなんて言われた記憶ねーんだけど。あれ?俺の記憶違いか?田島は微妙に言葉が足りなくて困るときがある。
「俺達って恋人同士だろ?花井主将で大変だし、頼ってくんねーと俺寂しーよ」
きゅうっと袖を握る力が強くなった。でもまだ顔は俯いたままで表情までは見えない。ったく、仕方ねえな。
軽く頬に手を添えて顎をすくい上げて上を向かせた。それがひどく真剣な顔で。
「頼ってるだろ」
「…どこが?」
「田島いなかったら俺こんな頑張れねえよ」
真剣だった顔が漸く歪んで頭上に疑問符を浮かべた。まるで習ったことのない公式で解かなければならない問題を見たような感じの顔。
「…どーゆーことだ、それ?」
「田島と話してると元気出るし、見てると頑張らねえとなって思う」
あ、何かこういうの前にもあったな。いつだったか……ああ、そうだ。前田島に告った時だ。あん時はこっぱずかしすぎて耳から湯気が出るかと思ったっけ。それから考えると俺って成長したよなあ…。
「だから…何つーか、田島には傍にいてもらわねえと困る」
「……マジ?」
座ったままの田島はちろりと俺を盗み見るように見上げてきた。で、手はまだ俺の袖を掴んでる。多分こいつは不安なんだろうな。何となくそう思った。普段みんなにそんな顔見せないのに俺には見せる。それも嬉しいけど、やっぱ………、
「マジ」
「…んじゃ、俺ずっと花井の傍にいる!ゲンミツにっ!!」
笑ってるこいつのが、いいや。
END
■□後書き□■
友人に見せたら「これ田花?」って言われました。花田だよぉお!!(花田って名字みたいだよね!)
テーマは"落ち込む田島"。いや,無理でしょ?一応田島の気持ちとしては「花井って頼られてばっかで平気なのかな…俺に頼ればいーのに,どーして頼ってくんねーんだ?俺ってそんな頼りねーのか?」って感じ。ガラになく落ち込む田島な感じ。でも頼って欲しいから頼りない顔は見せられないってことでずっと俯きぎみ。つか田島に袖掴まれたら可愛さのあまり昇天しそうです
まあ田島は何しても可愛いよねっ!花阿部派が多くて寂しいですが頑張って花田を広めていきますっ
あ,でも花阿部も好きですがね
楓魔 禮牙
07.7.15.
「…………」
部活が終わって、みんな帰った後、俺はいつもの部誌を書いていた。それはいつものことで、田島が俺を待ってんのもいつものこと。他のみんなとは一週間に二回くらいコンビニに行くけど流石に毎日行く経済力はない。だから大体はそのまま家に帰る。で、家が近いからか俺の帰りを待っててくれてる。今日はその田島が少しおかしい。膝を抱えて小さくなっている。
「どうした?終わったぞ」
「………うん」
「……帰ろうか」
鞄を持って更衣室から出ようとすると袖を掴まれる。普段の田島からは想像もつかない。おいおい、どうしたんだよお前。
「田島?」
「俺さ、いなくても平気か?」
「は?」
何言い出すんだよ。俯きやがって、顔が見えねーっつの。どんな顔してんだよ。
「花井に、俺って必要ねーか?」
「どうしてそう思ったんだよ」
「……頼ってくんねーんだもん。頼りねーのかと思うじゃん」
「頼る?」
……っかしいな。頼ってくれなんて言われた記憶ねーんだけど。あれ?俺の記憶違いか?田島は微妙に言葉が足りなくて困るときがある。
「俺達って恋人同士だろ?花井主将で大変だし、頼ってくんねーと俺寂しーよ」
きゅうっと袖を握る力が強くなった。でもまだ顔は俯いたままで表情までは見えない。ったく、仕方ねえな。
軽く頬に手を添えて顎をすくい上げて上を向かせた。それがひどく真剣な顔で。
「頼ってるだろ」
「…どこが?」
「田島いなかったら俺こんな頑張れねえよ」
真剣だった顔が漸く歪んで頭上に疑問符を浮かべた。まるで習ったことのない公式で解かなければならない問題を見たような感じの顔。
「…どーゆーことだ、それ?」
「田島と話してると元気出るし、見てると頑張らねえとなって思う」
あ、何かこういうの前にもあったな。いつだったか……ああ、そうだ。前田島に告った時だ。あん時はこっぱずかしすぎて耳から湯気が出るかと思ったっけ。それから考えると俺って成長したよなあ…。
「だから…何つーか、田島には傍にいてもらわねえと困る」
「……マジ?」
座ったままの田島はちろりと俺を盗み見るように見上げてきた。で、手はまだ俺の袖を掴んでる。多分こいつは不安なんだろうな。何となくそう思った。普段みんなにそんな顔見せないのに俺には見せる。それも嬉しいけど、やっぱ………、
「マジ」
「…んじゃ、俺ずっと花井の傍にいる!ゲンミツにっ!!」
笑ってるこいつのが、いいや。
END
■□後書き□■
友人に見せたら「これ田花?」って言われました。花田だよぉお!!(花田って名字みたいだよね!)
テーマは"落ち込む田島"。いや,無理でしょ?一応田島の気持ちとしては「花井って頼られてばっかで平気なのかな…俺に頼ればいーのに,どーして頼ってくんねーんだ?俺ってそんな頼りねーのか?」って感じ。ガラになく落ち込む田島な感じ。でも頼って欲しいから頼りない顔は見せられないってことでずっと俯きぎみ。つか田島に袖掴まれたら可愛さのあまり昇天しそうです
まあ田島は何しても可愛いよねっ!花阿部派が多くて寂しいですが頑張って花田を広めていきますっ
あ,でも花阿部も好きですがね
楓魔 禮牙
07.7.15.
真実の世界で、貴方と
あれ……珍しい。太子が真面目な顔して卓に向かってる。頭を抱えて真剣な顔なのに右手では筆で硯と墨汁と遊んでる。長年太子に連れ添ってきたけど(この表現が夫婦っぽいだなんてもう気にしなくなりましたよ)こんな太子は初めて見た。……話しかけても、平気かな…?
「太子?そんな真面目な顔で何されてるんです?」
「ん?あ、妹子。良いところに!読んでみてくれないか?」
「え?あ、はあ」
渡された一枚の紙には、昔から注意してきたが直ることのない汚い字。メモを取っただけなのか、よく考えないとわからない漢字の列。全部で8文字の簡単な詩みたいだった。
「ええと…世間……虚仮?」
「うん、『世間虚仮、唯仏是真』」
「……これ、本当に思ってるんですか?」
だとしたら許せない。この世は全部嘘で、正しいのは仏だけだなんて。いくら太子が熱狂的な仏教徒でも僕からしたら裏切られた気がしてならない。この世が全部嘘なら、太子が僕に言ってくれたことも嘘になってしまう。本当は頭が良い太子だから…、本当はね。能ある鷹は爪を隠すっていうけど太子の場合隠しすぎだと思う……。…まあ、とにかく頭の良い太子のことだ。きっと僕がこういう不満を持つこともわかるんじゃないだろうか。…いや、でも太子って意外と鈍いからどうだろうな…。
「これは辞世の句にしようと思ってここ数日で考えたものでね」
辞世の句が惨めだと、妹子が怒って供養してくれなさそうだからな!太子はそう言っていつも通り笑う。……笑い事じゃない。きっと太子は僕より早く死ぬ。一時期それで悩んだこともあったけど、何とか乗り越えられた。でも、これが辞世の句?太子はこの句を僕に残してどうするんですか?僕を…、僕を突き放したいんですか……?
「いざ辞世の句を考えると何かしんみりしちゃったなあ」
「太子は……お亡くなりになる前に僕を突き放したいんですか…?」
「? どうして?寧ろ一緒に連れていきたいくらいだぞっ!ぷんぷん!」
自分の口でぷんぷんと付け加えた太子と、太子の辞世の句が書かれた紙を握り締めた僕とでは、何やら住む世界さえもが違うかのように纏う空気が違くて。
「だって…世間虚仮って…今まで僕に言ってくれてた思いは嘘だってことじゃないですか…?」
「……妹子は、そう取っちゃったんだね」
太子は僕の手から紙を取ると僕の横へ移動してきた。
「いざ死ぬと考えると、私も恐いんだ。妹子に会えなくなるから。もし私が死んだら、私の存在がこの世に存在しなかったことになる気がするんだ」
「そんなことあるわけないじゃないですか…」
「あくまで私の持論だよ。それでね、私が存在しなかったとしたら、私の言葉や気持ちは全部存在しない…嘘になるだろう?」
首を横に振ることはできなかった。勿論、縦に振ることなどもっと難しかった。
「でもね、あの世…仏様がいらっしゃる場所なら言葉も気持ちも、全部本物になる気がするんだ」
「はあ……」
「だから、この句はあの世でもう一度、真実がある場所でまた妹子に会いたいって意味で作ったんだよ。だから最初に妹子に見てもらったのに」
胸が痛いほど熱くなって、より一層太子が大好きになった。
結局、数年後だったかな。太子は公言通りこの辞世の句と…それと、僕を残して先に逝ってしまった。僕は、ちゃんと僕の人生をやり遂げてからそちらに行きます。お土産話もたくさん用意しておきます。
だから、嘘じゃない、真実の言葉を用意しておいてください。
■□■□■□
後書き
今倫理で太子が試験範囲でしてね…辞世の句で書いてみました。HPに上げるような長さにできないので,こちらに投下。携帯うちだから中途半端。
当然にあの世があると信じてこられた時代。妹子は仏教徒だったんでしょーか?
楓魔 禮牙
「太子?そんな真面目な顔で何されてるんです?」
「ん?あ、妹子。良いところに!読んでみてくれないか?」
「え?あ、はあ」
渡された一枚の紙には、昔から注意してきたが直ることのない汚い字。メモを取っただけなのか、よく考えないとわからない漢字の列。全部で8文字の簡単な詩みたいだった。
「ええと…世間……虚仮?」
「うん、『世間虚仮、唯仏是真』」
「……これ、本当に思ってるんですか?」
だとしたら許せない。この世は全部嘘で、正しいのは仏だけだなんて。いくら太子が熱狂的な仏教徒でも僕からしたら裏切られた気がしてならない。この世が全部嘘なら、太子が僕に言ってくれたことも嘘になってしまう。本当は頭が良い太子だから…、本当はね。能ある鷹は爪を隠すっていうけど太子の場合隠しすぎだと思う……。…まあ、とにかく頭の良い太子のことだ。きっと僕がこういう不満を持つこともわかるんじゃないだろうか。…いや、でも太子って意外と鈍いからどうだろうな…。
「これは辞世の句にしようと思ってここ数日で考えたものでね」
辞世の句が惨めだと、妹子が怒って供養してくれなさそうだからな!太子はそう言っていつも通り笑う。……笑い事じゃない。きっと太子は僕より早く死ぬ。一時期それで悩んだこともあったけど、何とか乗り越えられた。でも、これが辞世の句?太子はこの句を僕に残してどうするんですか?僕を…、僕を突き放したいんですか……?
「いざ辞世の句を考えると何かしんみりしちゃったなあ」
「太子は……お亡くなりになる前に僕を突き放したいんですか…?」
「? どうして?寧ろ一緒に連れていきたいくらいだぞっ!ぷんぷん!」
自分の口でぷんぷんと付け加えた太子と、太子の辞世の句が書かれた紙を握り締めた僕とでは、何やら住む世界さえもが違うかのように纏う空気が違くて。
「だって…世間虚仮って…今まで僕に言ってくれてた思いは嘘だってことじゃないですか…?」
「……妹子は、そう取っちゃったんだね」
太子は僕の手から紙を取ると僕の横へ移動してきた。
「いざ死ぬと考えると、私も恐いんだ。妹子に会えなくなるから。もし私が死んだら、私の存在がこの世に存在しなかったことになる気がするんだ」
「そんなことあるわけないじゃないですか…」
「あくまで私の持論だよ。それでね、私が存在しなかったとしたら、私の言葉や気持ちは全部存在しない…嘘になるだろう?」
首を横に振ることはできなかった。勿論、縦に振ることなどもっと難しかった。
「でもね、あの世…仏様がいらっしゃる場所なら言葉も気持ちも、全部本物になる気がするんだ」
「はあ……」
「だから、この句はあの世でもう一度、真実がある場所でまた妹子に会いたいって意味で作ったんだよ。だから最初に妹子に見てもらったのに」
胸が痛いほど熱くなって、より一層太子が大好きになった。
結局、数年後だったかな。太子は公言通りこの辞世の句と…それと、僕を残して先に逝ってしまった。僕は、ちゃんと僕の人生をやり遂げてからそちらに行きます。お土産話もたくさん用意しておきます。
だから、嘘じゃない、真実の言葉を用意しておいてください。
■□■□■□
後書き
今倫理で太子が試験範囲でしてね…辞世の句で書いてみました。HPに上げるような長さにできないので,こちらに投下。携帯うちだから中途半端。
当然にあの世があると信じてこられた時代。妹子は仏教徒だったんでしょーか?
楓魔 禮牙
第6章 夢の着く果て
「ルシファー…どうした、眠れないのか?」
「……………」
僕が枕を抱き締めて扉のすぐ横に立つとアレクはすぐ僕に気付いてくれた。でも僕は動けなくて、そのまま俯いて扉の横に立っていた。もう僕も13歳。あと2歳で大人にならなきゃいけないのに、怖い夢を見てしまってここに来たって言ったらアレクに怒られちゃうかな。
僕が大人になるっていうのは周りの子と少し意味合いが違ってくる。普通の子なら学校を卒業して親の仕事を継ぐ。そこまでは僕も変わりない。……ただ、僕の場合は親が王様だから、立場が高くなるだけ。でも2年後には…僕は一国を任される王になっている。そんな僕が怖い夢を見ただけでアレクの部屋に来たって言ったら…。
「ルシファー?廊下はまだ寒いだろう。入っておいで」
「……うん」
さっきより強く枕を握り締めてアレクの部屋に入る。どうやらアレクが机に向かってたのは仕事をするためだったらしい。時期国王の騎士ともなると仕事は多くなるらしい。そうエルヴィス伯が教えてくれた。その仕事は、言わば僕のための仕事で、それを僕が邪魔してしまったと思うと申し訳なさでいっぱいになった。
「こんな夜遅くにどうしたんだ?お父上に見つかったらどうする?」
「父様は僕を見つけたって怒らないもん」
「それじゃあルシファーを怒る人が必要だな。また人を雇うか?それとも、俺がその役を引き受けようか?」
「アレクに怒られるのは、や」
アレクと一緒に居るのは、好き。僕がむすっとした時のアレクの笑顔は格好良くて好き。その後ぎゅうってしてくれる時の腕は暖かくて好き。でも僕がアレクを好きって思うのはおかしいことなんだって。アレクを好きって思っちゃいけないんだって。僕はこんなに好きなのに、アレクには言っちゃいけないんだ。アレクを困らせちゃうんだって。だから僕はアレクに好きって言ってあげられないんだよ。
「アレク、お仕事あるの?」
「あ?ああ、少しな。でも今すぐやらなきゃならないって訳じゃない」
「ほんと?僕がいても邪魔じゃない?」
「ああ。でもどうして俺の部屋に来たのか理由を言わないとこの部屋にはいられないぞ?」
こういう時のアレクは意地悪。でもやっぱり好き。部屋の真ん中にあるソファーの上で小さく丸まった僕は思案を始めた。怖い夢の話をするべきかどうか。考えてたら、ふと夢で見た映像が頭に浮かんだ。1つ浮かんできたら、いっぱい思い出してしまった。僕は怖くなって、ぎゅぅってアレクにしがみついた。
「ルシファー?」
「……怖い夢、見たの」
「夢?どんな?」
「アレクがね、僕なんて居なければよかったって言うの。アレクがいつも使ってる剣で僕を殺そうとしてた。……怖かったの」
アレクに裏切られることが。言い終わる前に、アレクは僕のことをぎゅうってした。さっきとは違って、腕の力が強かった。
「大丈夫、ルシファー。俺は君を裏切ったりしない。騎士の誓約にもあるだろ?『騎士たる者我欲を捨て王に忠誠を誓うべし』って」
「でも、僕はまだ王じゃない」
「お前はもう俺の中では王だ」
でも……、そう言おうとした。でもできなかった。アレクが僕の唇に自分のそれを付ける。これは何でも叶うおまじないなんだって。だから僕はこの間にアレクが僕を裏切りませんようにって何度もお願いした。僕が何回目かのお願いを終えるとアレクは僕の唇から離れた。
「お願い、できたか?」
「うん。ありがと」
「これで正夢にならなくて済むな」
アレクも笑ってくれた。でもさっきまでとは違って、困ったような顔だった。僕、アレクのこと困らせちゃったのかな?謝らないと嫌われちゃうかな?どうしよう……。
「アレク……?」
「ん?」
「ごめんなさい」
アレクに嫌われたら、僕生きていけないよ。ぎゅぅってアレクの服の袖を掴んで謝った。許してくれなかったらどうしよう。どうして怒らせちゃったんだろう。僕が不安になってるとアレクからクスって笑い声が聞こえてきた。
「どうして謝るんだよ?」
「だってアレク、困ってたもん。困らせたらごめんなさいでしょ?」
「…………ああ、そうだな」
また困ったようにアレクが笑った。今日のアレクはおかしいよ。いつもはちゃんと笑って僕のことぎゅうってしてくれるのに。今日は頭をぽんぽんってしてくれるだけ。少しだけ、壁ができたみたいで悲しい。
「さて、ルシファー。子供はそろそろ寝る時間だぞ?」
「うん………」
「1人で寝るのが怖かったら俺のベッドで寝ても良い。とりあえず休め」
「ここで寝てもいいの?アレクの邪魔にならない?」
「ああ」
そう言って笑ったアレクの顔はもういつもの笑顔だった。あれ?さっきの……、僕の思い過ごしかな?思い過ごし、ならいいな。僕がアレクのベッドの中に潜り込むとアレクが部屋の明かりを簡単な呪文で消してくれた。その代わり机の上の小さなランプに指を近付けまた簡単な呪文を唱える。この国に住む僕達はこれくらいの簡単な魔法なら誰でも使える。だんだん重くなってくる瞼の力に従って目を閉じる。息を軽く吸い込んで、アレクの香りに包まれながら僕は意識を手放した。
□■□■後書き■□■□
先日禮牙の部屋で発掘されたオリジナル小説。暇だから文字に起こしてみました(´∀`)簡単に説明をするとこの世界は魔法とかが使える世界で、15歳未満は子供、15歳以上は大人としっかりロウズ(この国の法律。まんまですね)で定められてます。つか、ファンタジーですよ、ファンタジー。もう何でもありのファンタジー。禮牙のオリジナル小説にしては珍しくちゃんと完結しています。BLですがね(´・ω・`)アレクの本名はアレクシスです。参考までに。そういや必死に考えたルシファーって名前が堕天使の名前だと知ったときには軽くショックでしたよ(笑)因みに名前しか出てこないエルヴィス伯は名の通る魔法使いだったりね。性格は果てしなく悪いですけど(笑)まあこんな作品も書いてましたよー的なね。かなり懐かしかったです。これ結末言うと結局この夢の通りにアレクシスがルシファーのことを殺そうとするんです。本当は敵国の王の騎士でルシファーを最初の公の式典(王になる時の式典、いわゆる戴冠式)で殺さなければならなかった、と。実際その式典でアレクシスはルシファーを殺そうとし、反乱軍が攻め入ってきます。ルシファーの護衛軍が臨戦態勢に入ろうとしたときルシファーの一言によって両者の動きが止まります。んでルシファーがアレクシスの近くに寄っていって、「僕を殺せ、アレクシス。…君に殺されるなら本望だ」とルシファーが言うのですよ。実はこの少し前にルシファーがアレクシスのことを疑い始める伏線があるのでルシファーは薄々気付いてたわけです。まあ、そんな感じのお話です(`・ω・´)そして当時もどうやら文章の形態が尻すぼみ型なのは今と変わらなかったようです(*´Д`)=з
Alexis Lucifer Elvis
楓魔 禮牙
07.5.1.
「……………」
僕が枕を抱き締めて扉のすぐ横に立つとアレクはすぐ僕に気付いてくれた。でも僕は動けなくて、そのまま俯いて扉の横に立っていた。もう僕も13歳。あと2歳で大人にならなきゃいけないのに、怖い夢を見てしまってここに来たって言ったらアレクに怒られちゃうかな。
僕が大人になるっていうのは周りの子と少し意味合いが違ってくる。普通の子なら学校を卒業して親の仕事を継ぐ。そこまでは僕も変わりない。……ただ、僕の場合は親が王様だから、立場が高くなるだけ。でも2年後には…僕は一国を任される王になっている。そんな僕が怖い夢を見ただけでアレクの部屋に来たって言ったら…。
「ルシファー?廊下はまだ寒いだろう。入っておいで」
「……うん」
さっきより強く枕を握り締めてアレクの部屋に入る。どうやらアレクが机に向かってたのは仕事をするためだったらしい。時期国王の騎士ともなると仕事は多くなるらしい。そうエルヴィス伯が教えてくれた。その仕事は、言わば僕のための仕事で、それを僕が邪魔してしまったと思うと申し訳なさでいっぱいになった。
「こんな夜遅くにどうしたんだ?お父上に見つかったらどうする?」
「父様は僕を見つけたって怒らないもん」
「それじゃあルシファーを怒る人が必要だな。また人を雇うか?それとも、俺がその役を引き受けようか?」
「アレクに怒られるのは、や」
アレクと一緒に居るのは、好き。僕がむすっとした時のアレクの笑顔は格好良くて好き。その後ぎゅうってしてくれる時の腕は暖かくて好き。でも僕がアレクを好きって思うのはおかしいことなんだって。アレクを好きって思っちゃいけないんだって。僕はこんなに好きなのに、アレクには言っちゃいけないんだ。アレクを困らせちゃうんだって。だから僕はアレクに好きって言ってあげられないんだよ。
「アレク、お仕事あるの?」
「あ?ああ、少しな。でも今すぐやらなきゃならないって訳じゃない」
「ほんと?僕がいても邪魔じゃない?」
「ああ。でもどうして俺の部屋に来たのか理由を言わないとこの部屋にはいられないぞ?」
こういう時のアレクは意地悪。でもやっぱり好き。部屋の真ん中にあるソファーの上で小さく丸まった僕は思案を始めた。怖い夢の話をするべきかどうか。考えてたら、ふと夢で見た映像が頭に浮かんだ。1つ浮かんできたら、いっぱい思い出してしまった。僕は怖くなって、ぎゅぅってアレクにしがみついた。
「ルシファー?」
「……怖い夢、見たの」
「夢?どんな?」
「アレクがね、僕なんて居なければよかったって言うの。アレクがいつも使ってる剣で僕を殺そうとしてた。……怖かったの」
アレクに裏切られることが。言い終わる前に、アレクは僕のことをぎゅうってした。さっきとは違って、腕の力が強かった。
「大丈夫、ルシファー。俺は君を裏切ったりしない。騎士の誓約にもあるだろ?『騎士たる者我欲を捨て王に忠誠を誓うべし』って」
「でも、僕はまだ王じゃない」
「お前はもう俺の中では王だ」
でも……、そう言おうとした。でもできなかった。アレクが僕の唇に自分のそれを付ける。これは何でも叶うおまじないなんだって。だから僕はこの間にアレクが僕を裏切りませんようにって何度もお願いした。僕が何回目かのお願いを終えるとアレクは僕の唇から離れた。
「お願い、できたか?」
「うん。ありがと」
「これで正夢にならなくて済むな」
アレクも笑ってくれた。でもさっきまでとは違って、困ったような顔だった。僕、アレクのこと困らせちゃったのかな?謝らないと嫌われちゃうかな?どうしよう……。
「アレク……?」
「ん?」
「ごめんなさい」
アレクに嫌われたら、僕生きていけないよ。ぎゅぅってアレクの服の袖を掴んで謝った。許してくれなかったらどうしよう。どうして怒らせちゃったんだろう。僕が不安になってるとアレクからクスって笑い声が聞こえてきた。
「どうして謝るんだよ?」
「だってアレク、困ってたもん。困らせたらごめんなさいでしょ?」
「…………ああ、そうだな」
また困ったようにアレクが笑った。今日のアレクはおかしいよ。いつもはちゃんと笑って僕のことぎゅうってしてくれるのに。今日は頭をぽんぽんってしてくれるだけ。少しだけ、壁ができたみたいで悲しい。
「さて、ルシファー。子供はそろそろ寝る時間だぞ?」
「うん………」
「1人で寝るのが怖かったら俺のベッドで寝ても良い。とりあえず休め」
「ここで寝てもいいの?アレクの邪魔にならない?」
「ああ」
そう言って笑ったアレクの顔はもういつもの笑顔だった。あれ?さっきの……、僕の思い過ごしかな?思い過ごし、ならいいな。僕がアレクのベッドの中に潜り込むとアレクが部屋の明かりを簡単な呪文で消してくれた。その代わり机の上の小さなランプに指を近付けまた簡単な呪文を唱える。この国に住む僕達はこれくらいの簡単な魔法なら誰でも使える。だんだん重くなってくる瞼の力に従って目を閉じる。息を軽く吸い込んで、アレクの香りに包まれながら僕は意識を手放した。
□■□■後書き■□■□
先日禮牙の部屋で発掘されたオリジナル小説。暇だから文字に起こしてみました(´∀`)簡単に説明をするとこの世界は魔法とかが使える世界で、15歳未満は子供、15歳以上は大人としっかりロウズ(この国の法律。まんまですね)で定められてます。つか、ファンタジーですよ、ファンタジー。もう何でもありのファンタジー。禮牙のオリジナル小説にしては珍しくちゃんと完結しています。BLですがね(´・ω・`)アレクの本名はアレクシスです。参考までに。そういや必死に考えたルシファーって名前が堕天使の名前だと知ったときには軽くショックでしたよ(笑)因みに名前しか出てこないエルヴィス伯は名の通る魔法使いだったりね。性格は果てしなく悪いですけど(笑)まあこんな作品も書いてましたよー的なね。かなり懐かしかったです。これ結末言うと結局この夢の通りにアレクシスがルシファーのことを殺そうとするんです。本当は敵国の王の騎士でルシファーを最初の公の式典(王になる時の式典、いわゆる戴冠式)で殺さなければならなかった、と。実際その式典でアレクシスはルシファーを殺そうとし、反乱軍が攻め入ってきます。ルシファーの護衛軍が臨戦態勢に入ろうとしたときルシファーの一言によって両者の動きが止まります。んでルシファーがアレクシスの近くに寄っていって、「僕を殺せ、アレクシス。…君に殺されるなら本望だ」とルシファーが言うのですよ。実はこの少し前にルシファーがアレクシスのことを疑い始める伏線があるのでルシファーは薄々気付いてたわけです。まあ、そんな感じのお話です(`・ω・´)そして当時もどうやら文章の形態が尻すぼみ型なのは今と変わらなかったようです(*´Д`)=з
Alexis Lucifer Elvis
楓魔 禮牙
07.5.1.